講談社BOOK倶楽部

635 異端カタリ派の歴史

ミシェル・ロクベール 著 武藤剛史 訳
定価:本体3,100円(税別)

東欧発祥で、十二世紀、南仏ラングドックで大展開した宗教運動=カタリ派。
二元論的であり、現世を悪とするグノーシス的とされるその教義には、謎が多い。
カタリ派の誕生・発展から異端審問・迫害・殲滅にいたる三世紀の歴史──
アルビ地方で展開された、もうひとつのおぞましい十字軍と
カペー朝フランス王国によるラングドック併合が同時進行したのである。
知られざる異端の経験した驚愕の歴史を明らかにする、
カタリ派研究の第一人者による最良・決定版の訳書。

638 絶滅の地球誌

澤野 雅樹 著
定価:本体2,000円(税別)

金沢城のヒキガエルがいなくなり、パナマの黄金カエルも死に絶えた。
毎年、五万の種が消滅する地球は、オルドビス紀、ペルム紀、三畳紀などの
五度の大絶滅を超える「第六の絶滅」へと静かな行進を続けている。
五大陸は、人類の欲望と技術によって、二億五千年の時を越えて、
また一つになり、「ニュー・パンゲア(超大陸)」となったのである。
この超大陸は環境破壊だけでなく、「核の宅配便」までも可能にした。
人類は、どうすれば絶滅への歩みを止められるのだろうか?



メールマガジン発行中

634 アメリカ 異形の制度空間

西谷 修 著
定価:本体1,700円(税別)

アメリカとは単なる地名でもなければ国名でもない。
キリスト教旧世界が新たな大地に作り出した制度空間の名である。
一四九二年コロンブスにその一端が「発見」された新天地。
西洋から見て「無主の地」は「法的所有」の対象となった。
征服と植民により獲得され拡大する新世界。そこに生い茂る
教会・旧秩序からの〈自由〉と〈個人の自立〉の観念。
今や世界の隅々に浸透するその根強い規範性の由来を探る。

636 ノーベル経済学賞

天才たちから専門家たちへ

根井雅弘 編著
定価:本体1,650円(税別)

二十世紀後半の混沌たる現実は、
自然科学や平和、文学が対象のはずの賞を「拡張」させた。
大恐慌、世界大戦、東西冷戦、欧州統一、共通通貨……。
多くの知性が熱い議論を交わし、相対立する政策が提起される。
受賞を後悔したミュルダール、デモ隊に乱入されたフリードマン、
投機に足をすくわれたマートンとショールズ……。
彼らは何を語り、何を見ようとしなかったのか。
半世紀近くにわたる歴史を一気にたどり、将来を展望する。

637 ニッポン エロ・グロ・ナンセンス

昭和モダン歌謡の光と影

毛利 眞人 著
定価:本体1,850円(税別)

関東大震災から日中戦争へと至る時代。
モボとモガが 闊歩し、ラジオとレコードの音が巷に満ちるとき、
刹那的な享楽主義が都市を覆い、眩い光彩を放った。
テロよりエロ! アカより桃色!
あまりにも不埒な歌詞と軽佻浮薄なメロディーからは、
人びとの欲望と思惑、権力への反発と諦念が聞こえてくる。
日本歌謡史のミッシング・リンクを明らかにする一冊。

632 新・中華街

世界各地で〈華人社会〉は変貌する

山下清海 著
定価:本体1,550円(税別)

東京・池袋駅北口に突如出現した「池袋チャイナタウン」。
新しいタイプのチャイナタウンが、世界で急増している。
ロンドン、パリ、ミラノ、ブダペスト、ワルシャワ、トロント……。
一九七八年の改革開放後、「新華僑」によって形成されてきた
各地の「新・中華街」を訪ね歩き、現地化する食文化と、
地縁・血縁を絆とする強いコミュニティの実態を調査。
新華僑を送り出す中国の町「僑郷」の暮らしも現地レポート。
なぜ、日本人街やイタリア人街は、世界に広がらないのか?

633 英語の帝国

ある島国の言語の1500年史

平田雅博 著
定価:本体1,700円(税別)

「グローバル社会への対応」と称し、多くの親が幼児を英語塾に通わせる─。
こうした「英語熱」は、どんな歴史を経てもたらされたのか。
五世紀頃にイングランドに出現した言語が、中世にはブリテン諸島に広がり、
近代にはインドやアフリカをはじめ、世界を覆うまでの「英語の歴史」。
立身のために子どもへの英語教育を熱望したウェールズの親たち、
アイルランド人のナショナリズムと英語への抵抗、
アフリカでのキリスト教と一体化した「英語帝国主義」。
そして、日本の英語教育の始まりと、
森有礼の「日本語廃止論」の真相を解明する。

629 丸山眞男の敗北

伊東 祐吏 著
定価:本体1,700円(税別)

政治学と日本思想史の泰斗・丸山眞男(一九一四─九六年)。
『日本政治思想史研究』や『現代政治の思想と行動』など、
戦後最大の知識人が残した著作は、
今なお多くの読者を魅了し続けている。
本書は、すでに神格化された知の巨人と正面から向き合い、
独自の「哲学」を読み取る試みである。
そして、その試みはやがて衝撃的な事実を明らかにする──。
いまだ現在進行形の「戦後」を生きる私たちにとって
必読の思考体験がここにある!

631 大東亜共栄圏

帝国日本の南方体験

河西 晃祐 著
定価:本体1,850円(税別)

一九四○年八月一日、「大東亜共栄圏」という言葉が
外務大臣・松岡洋右によって初めて公表された。
新秩序構想を支えるスローガン「八紘一宇」の出自とは?
やがて東南アジアを軍事占領し、対米開戦に到る日本の針路は
この構想で想定されていたのか。日本人の目を異文化へと開く一方、
三年半余りにわたって二○○万の日本人に「南方」での生活を強い、
数千万の東南アジアの人々に「日本人」と「日本文化」を目撃させた
特異な歴史的運動を多角的に検証する。

627 九鬼周造

藤田 正勝 著
定価:本体1,600円(税別)

稀代の哲学者・九鬼周造(一八八八─一九四一年)。
東洋と西洋の邂逅を体現したその思索は
代表作『「いき」の構造』(一九三〇年)に結実する。
「いき」のみならず「偶然性」、「時間」、「美」、「押韻」など
多彩な領域に及ぶ関心を貫いていたものは何か?
生涯をたどりながら全主要著作を読み解き、
〈ことば〉を手がかりにして、その本質に迫る。

628 夢の現象学・入門

渡辺 恒夫 著
定価:本体1,550円(税別)

夢を現実の偽装や幻想としてその解釈・説明をめざすのではなく、
体験として、一つの世界として、探求すること。ここに、現象学は
本質への遡行を捨て、体験現象そのものの観察実行を宣言する。
現実が「世界」なら、夢もまた「世界」である。
それぞれに「世界」を成り立たせている構造原理とは何か?
夢の中には未来も過去もない、他者にもなれる。夢の実例に即し、
その構造を明らかにするための「技法」を紹介。

625 「こつ」と「スランプ」の研究

身体知の認知科学

諏訪正樹 著
定価:本体1,800円(税別)

内角高めの球を打つ
料理の火加減を調節する
説得力あるプレゼンをする……
スランプではことばが増え、
こつをつかむと体感で御す。
「からだ」の学びに、なぜ「ことば」が必要なのか?
身体知の解明に挑む、認知科学の最前線!

626 「怪異」の政治社会学

室町人の思考をさぐる

高谷知佳 著
定価:本体1,750円(税別)

神像の破裂、山野の鳴動、奇怪な発光……。
室町時代、京や奈良は不思議な現象に満ち満ちていた。
戦乱下の都市に生きる人びとは、怨霊や天狗などをどう見なし、
跳梁跋扈する異形がどこからあらわれると考えていたのか。
都市民のまなざしと権力が交錯する場に注目し、
妖しきものをとおして中世固有の心性をあぶりだす。

623 来たるべき内部観測

一人称の時間から生命の歴史へ

松野孝一郎 著
定価:本体1,650円(税別)

過去から現在へ、そして未来へと流れる「時間」を
私たちも、科学者も疑っていない。
しかし、人間の経験は、いつでも持続する「今」の中にしかなく、
常に持続する「今」は、
生命の起源から途切れなく続く歴史全体を含んでいる─。
「内部観測」の発見者が、前著から十五年を経て、
自身の理論のバージョンアップを試みる大胆な挑戦。

624 もうひとつの「帝銀事件」

二十回目の再審請求「鑑定書」

浜田 寿美男 著
定価:本体1,850円(税別)

戦後史最大級の謎、帝銀事件。
真犯人とされた男は、「我死すとも瞑目せず」との言葉を残して獄死した。
取り調べや法廷で、事件はいかにして「再構成」されたのか?
自白や目撃証言など残された膨大な供述記録を詳細に分析、
十二人もの命が奪われた惨劇が、
「虚偽自白による冤罪事件」でもあることを明らかにする。

625 熊楠の星の時間

中沢新一 著
定価:本体1,500円(税別)

二〇一四年の講演「アクティビスト熊楠」「熊楠の華厳」に加え、
熊楠の心の構造を探った「熊楠のシントム」、
海のエコロジーを探求する「海辺の森のバロック」、
本書の全体像を提示する「熊楠の星の時間」を収録。
長年にわたり南方熊楠についての考察を深め
熊楠の思想の可能性を掘り起こしてきた、
思想家・中沢新一が提示する、二十一世紀の南方熊楠論。

中沢新一『熊楠の星の時間』付録について
2016年5月7日の「第26回 南方熊楠賞授賞式」の特別講演を元に再構成した「粘菌と華厳」が弊社PR誌『本』に掲載されました。
その掲載原稿が6月末以降出荷分の『熊楠の星の時間』の付録となっております。すでにご購入の読者の皆様においてはこちらよりダウンロードしてお読みいただけます。


621 金太郎の母を探ねて

母子をめぐる日本のカタリ

西川照子 著
定価:本体1,550円(税別)

山の王たる熊にまたがり、炎のごとき赤い腹掛けには
錬金術師の証である「金」の文字。
おなじみ金太郎は「雷神」とも伝わるが、
その母の存在は深い闇に包まれている。
母の正体を求め、中世から古代へ、そして再び中世へ……
「母子神信仰」を手がかりにしてめぐる探求の旅は、
その果てで驚愕の事実と出会うことになる。
豊饒なる民俗学の冒険へ!

622 江戸諸國四十七景

名所絵を旅する

鈴木健一 著
定価:本体1,750円(税別)

江戸時代、旅と諸国の風景・事物への関心が大いに高まる。
都をはじめ、奥州、善光寺道、東海道、伊勢、大和、摂津、阿波、
琉球……全国各地の名所名物が、数多の図会類のみならず、
浮世絵や、読本・事典類等の挿絵としても、繰り返し描かれた。
本書では、江戸時代に出版され、
集大成された絵画の〈型〉を楽しく読み解きながら、
全国津々浦々、一都道府県につき一ヵ所、
全部で四十七の名所を巡る。

619 怪物的思考

近代思想の転覆者ディドロ

田口卓臣 著
定価:本体1,650円(税別)

「アウシュヴィッツ以後、詩を書くことは野蛮である」──
アドルノが第二次大戦後に糾弾した「啓蒙」は、もはや破綻している。
だが、啓蒙を代表する百科全書派の思想家ドニ・ディドロ(一七一三─八四年)は、
理性で自然を支配し、技術を統制できると教えてきた「啓蒙」を
根底から破壊する「怪物的思考」を大胆に実践していた。
初期代表作『自然の解明に関する断想』(一七五三年)を精緻に読み進めるとき、
「法則/例外」、「基準/逸脱」、「正常/異常」の区別は無効になり、
誰も見たことのない思考の地平が浮かび上がってくる。
気鋭の著者が挑む、スリリングな思想史!

620 都市の起源

古代の先進地域=西アジアを掘る

小泉龍人 著
定価:本体1,650円(税別)

「都市の起源」は、「人類の起源」「農業の起源」と並ぶ、
世界の考古学の「三大テーマ」のひとつである。
「世界最古の都市」はどこなのか。そもそも都市とは何なのか。
そして、なぜ西アジアに最初の都市が誕生したのか。
大規模な集落に住んだ人々が、「よそ者」の流入を契機として
安心と快適さを求め、そこに格差と争いが生じる過程を、
メソポタミアのウルクや、シリアのハブーバ・カビーラ南など
重要遺跡の発掘調査と、最新の研究成果をもとに解く。

617 小津安二郎の喜び

前田 英樹 著
定価:本体1,850円(税別)

日本映画史に燦然と輝く名匠・小津安二郎(一九〇三─六三年)。
現存する最古の作品『学生ロマンス 若き日』(昭和四年)から
遺作となった『秋刀魚の味』(昭和三十七年)まで、
今日観ることのできる全三十七作品を貫くものは何か。
キャメラという知覚機械の本性を深く理解した小津は、
サイレントからトーキーへの移行を越え、
白黒からカラーへの転換をも越えて、
私たちが生きる現実生活の根底に潜む〈永遠の現在〉を捉える。
小津を愛する著者が共感に満ちた筆致で完成した集大成。

618 易、風水、暦、養生、処世

東アジアの宇宙観(コスモロジー)

水野 杏紀 著
定価:本体1,700円(税別)

「趨吉避凶」という言葉がある。吉に趨き、凶を避ける。
要するにわざわいを避け、幸福に暮らすこと。
中国では、古代から、そのためのさまざまな思想や技術が蓄積されてきた。
それは、中国大陸に留まらず、朝鮮半島、台湾、
そして日本を含む東アジア全域に伝播してきた知恵である。
その知恵には、まさに東アジアの宇宙観がみいだされる。
易、風水、暦、養生、処世の五章に分けて、
その全貌を解説する力作!

615 中国外交戦略

その根底にあるもの

三船恵美 著
定価:本体1,750円(税別)

遅れてきた超大国はどこに向かうのか?
中華民族の偉大なる復興、核心的利益、一帯一路、海洋強国……。
習近平の中国は、日本を圧倒して東南・中央アジアに威を張り、
いまやアメリカと互角の、政治と経済のパワーを誇示しつつある。
共産党創設と人民共和国建国の「二つの百年」を目前にした、
彼らの思考と行動原理を読み解き、緊迫する国際情勢を展望する。

616 知の教科書 フランクル

諸富祥彦 著
定価:本体1,500円(税別)

二○世紀の名著『夜と霧』『それでも人生にイエスと言う』
の著者にして、ロゴセラピー(実存分析)を実践する心理療法家。
ウィーンのユダヤ人家庭に生まれたフランクルは、精神科医として
活躍し始めてまもなく、ナチスの政策により強制収容所に送られる。
尊厳を踏みにじられ希望を失っていく収容所で、それでも人間に
生きる意味はあるのか。苛酷な体験を通じて考え抜かれ到達した
「苦悩する存在」というフランクルの人間観と思想の深さに迫る。

613 ロシアあるいは対立の亡霊

「第二世界」のポストモダン

乗松亨平 著
定価:本体1,700円(税別)

1968と1991。
「権力/民衆」「資本主義/社会主義」という、
二大対立の終焉を告げる年である。
二〇世紀末、歴史の表舞台から姿を消したロシアは、
二一世紀、奇妙な存在感とともに浮上する。
ロシア現代思想に表出した、
いくつもの「対立の亡霊」をめぐる想像力を追跡し、
ロシアのポストモダンと西側のポストモダンの相違を大胆に読み解く。

614 国際紛争を読み解く五つの視座

現代世界の「戦争の構造」

篠田英朗 著
定価:本体1,850円(税別)

複数の人間集団が「相容れない目的」をもつとき、紛争が生まれる。
イデオロギー、地理的条件、経済的利害、信仰……。
お互いの拠って立つ基盤と価値観の矛盾を推し量らなければ、
その果てには流血と悲惨あるのみである。
もはや主権国家だけがアクターではない国際社会の
冷厳な現実を見据える、醒めた分析力をやしなうための一冊。

611 世界史の図式

岩崎育夫 著
定価:本体1,650円(税別)

世界史を動かしてきたのは、どの国、どの地域なのだろうか。
「七つの地域世界」と、「優位勢力」の移り変わりを軸に、
大きな「図式」を描いて流れをつかむ「世界史再入門」。
七~一六世紀、ユーラシア各地にランド・パワーを拡大した中東勢力。
一六世紀以降のヨーロッパによるシー・パワーの展開。
そして、エア・パワーを手に現代の世界に覇を唱える北アメリカ。
「支配する側」と「される側」の違いとは何か。
地理的関係や自然環境も視野に入れ、今後の展望まで語る。

612 帝国議会

〈戦前民主主義〉の五七年

村瀬信一 著
定価:本体1,750円(税別)

明治憲法下の制限選挙による不完全な民主主義、
昭和期には軍部の暴走を止められなかった無力な議会──。
しかし、帝国議会はまた、新たな政治を創ろうと
理想を抱いた人々の、営々たる努力の成果でもあった。
代議士の苦しい生活と、本会議重視の「読会制」。
尾崎行雄、原敬、斎藤隆夫、永井柳太郎らの弁論術。
繰り返される放言・失言、そして乱闘……。
日本人の「原体験としての議会政治」を見つめなおす。

608 知の教科書 プラトン

ミヒャエル・エルラー 著 三嶋輝夫・田中伸司・高橋雅人・茶谷直人 訳
定価:本体1,850円(税別)

ソクラテスの弟子にしてアリストテレスの師、プラトン。
『ソクラテスの弁明』『国家』『饗宴』『政治家』をはじめとする作品で
提示されたイデア、魂、宇宙と人間といった概念は、
二千年を超えてわれわれの思索の礎でありつづけている。
プラトンの生涯と作品、思想内容、
そして西洋思想史における展開を丁寧に解説する、
最新研究をふまえたプラトン入門の決定版!

609 <お受験>の歴史学

選択される私立小学校 選抜される親と子

小針誠 著
定価:本体1,750円(税別)

子弟を慶應義塾幼稚舎に「脱出」させた福澤諭吉。
「食べることで手一杯」と言いながらも、
成城小学校を選択し、子どもを通学させた平塚らいてう。
現在も〈お受験〉にただならぬ情熱を傾ける親子は多い。
人気校は、入学定員の10倍もの志願者数を集めている。
私立小学校は全小学校の1パーセントに過ぎないが、
伝統と歴史だけでなく、
その魅力的なカリキュラムは公立小学校が手本にしている。
本書では私立小学校の実際に迫り、初等教育の百年を一望する。

610 福沢諭吉の朝鮮

日朝清関係のなかの「脱亜」

月脚達彦 著
定価:本体1,850円(税別)

「転向者」福沢の思想/情念、
「アジア主義」の本質的矛盾、
挫折する「リベラルな帝国主義」……。
『時事新報』での言説と
朝鮮開化派との個人的関係から、
真実の福沢諭吉像と
現代日本の東アジア関係との連続性を提示する。

606 ブルデュー 闘う知識人

加藤晴久 著
定価:本体1,750円(税別)

ピレネー山脈に近い小村に生まれ、パリの名門高等中学校
さらに最高学府エコル・ノルマル・スュペリユールに進んだブルデュー。
哲学を修めた後、一兵卒として赴いたアルジェリアでの体験は
社会学専攻へと問題意識の決定的転換をもたらす。
現実に強い関心を持ち、批判的知識人たらんとしたブルデュー。
政治問題にコミットする一方、理論構築にも抜きん出ていたブルデュー。
ハビトゥス、界、文化資本などの概念を創出し、
社会の動力学を極めた社会学者の「生きた知」を解読する。

607 戦国大名論

村井良介 著
定価:本体1,750円(税別)

戦国時代、大名の配下にありながら、
「家中」と「領」をもつ者がいた。
戦国領主と呼ばれる存在である。
大名の生命線は、彼らをいかに統制するかにあった。
暴力の時代にあって、いかに支配を安定させたのか。
暴力と法のせめぎ合いから、新しい権力が誕生した。
群雄割拠の時代を権力論の視点から読み直す。

604 精読 アレント『全体主義の起源』

牧野雅彦 著
定価:本体1,750円(税別)

現実の中で闘う思想家、ハンナ・アレント(一九〇六─七五年)。
その主著は、一九五一年の『全体主義の起源』である。
しかし、全三部から成るこの大著は、
いまだ真に読まれてきたとは言えない。
邦訳書が基づくドイツ語版(一九五五年)のみならず、
英語で書かれた初版テクストまで遡り、
その異同を含めて精緻に読解。
ついにアレントの主著の全貌が現れる!

605 現代日本の四つの危機

哲学からの挑戦

齋藤元紀 著
定価:本体1,800円(税別)

人口減少と高齢化が避けられず、テロと戦争の不安は増大し、
知の中核であるはずの大学では人文学が放逐される……
日本は未来に光が見えない時代を生きている。
尽きせぬ不安の源にまなざしを向ければ、
「知」、「ことば」、「いのち」、「戦争」という〈四つの危機〉がある。
日本を代表する12人の哲学者が
これらの危機の本質を照らし、打開策を探る。
圧倒的支持を得た連続講義、ここに完全再現!

602 大江戸商い白書

数量分析が解き明かす商人の真実

山室恭子 著
定価:本体1,600円(税別)

零細店舗あふれる江戸の町。
外食屋七〇〇〇軒。一二六人に一軒の古道具屋。
米屋は一日三〇名程度の来店客──。
十数年しか続かず、血縁原理も働かなかった商家がほとんどだった
花のお江戸の商人たちの選択のドラマとは?
狭くて人口密度が高く、売り手買い手ともに自由な
一大消費都市江戸の商いのありようとは?
四〇〇〇軒の商家を徹底的に数値解析することで、
従来の大商家「越後屋=三井」史観に決別する。

603 終戦後史1945-1955

井上寿一 著
定価:本体1,650円(税別)

敗戦、GHQによる占領、そして独立。
混沌から新秩序へと移行する激動の一〇年。
農民・労働者・女性・子どもの地位向上と、
復員・引揚者への冷淡なまなざしという社会的権力関係の逆転。
戦勝国に対する敗戦国の屈折したナショナリズムと、
大衆にまで浸透するアメリカ型消費文化。
自由経済か統制経済か、保守一党優位体制か
政権交代をともなう二大政党制か──。
いくつもの国家像を模索し、新しいかたちを選び取っていった
転換期日本の歴史空間を再現する。

601 フリーメイスン

もうひとつの近代史

竹下節子 著
定価:本体1,650円(税別)

謎めいた存在ゆえに、陰謀論の格好の対象となるフリーメイスン。
秘密に包まれたイニシエーションの実態とは?
「自由、平等、兄弟愛」など、キリスト教ルーツの価値観を政治から切り離し、
「普遍価値」として復権させることが彼らの使命である。
アメリカ独立戦争、フランス革命から『シャルリー・エブド』事件まで、
フリーメイスンの誕生と変容を辿りながら、
西洋近代をもうひとつの視点からとらえなおす。

599 軍人皇帝のローマ

変貌する元老院と帝国の衰亡

井上文則 著
定価:本体1,550円(税別)

共和政期以来、七〇〇年にわたり、ローマ帝国を支えてきた元老院。
しかし、軍事情勢が悪化し、貧富の差が拡大した三世紀以降、
支配権はバルカン半島出身で下層民からのぼりつめた軍人皇帝の手に移る。
アウレリアヌス帝、ディオクレティアヌス帝、コンスタンティヌス帝など、
じつに七七人中二四人が、バルカン半島出身の軍人皇帝である。
ローマ文明を担うエリートの元老院の失墜と武人支配への変化を描き、
ローマ帝国衰亡の世界史的意味をとらえなおす。

600 知の教科書 ライプニッツ

 

フランクリン・パーキンズ 著
梅原宏司・川口典成 訳
定価:本体1,700円(税別)

一七世紀中葉のドイツに生まれたライプニッツは、
哲学、論理学、倫理学のみならず、歴史学、政治学、経済学から
数学をはじめとする自然科学に至るまで、
まさに知の全領域を横断した巨人である。
その思想の全容を理解するのは、きわめて難しい。
本書は、専門的な議論や影響史を割愛し、
大切なことだけを、われわれの経験から実感できるように描く
きわめて稀有な入門書である。
生きるための、生きることを理解するための哲学がここにある!

597 権力の空間/空間の権力

個人と国家の〈あいだ〉を設計せよ

山本理顕 著
定価:本体1,700円(税別)

古代ギリシアの「ノー・マンズ・ランド」とは何か?
ハンナ・アレントが重視したこの領域は、
現代の都市から完全に失われた。
世界的建築家がアレントの主著を読み解きながら、
私たちが暮らす住居と都市が抱える問題を浮かび上がらせ、
未来を生き抜くための都市の姿を展望する。
幸せに生きるためには、「権力の空間」に抗い、
私たち自身の「空間の権力」を意志しなければならない。

598 地図入門

 

今尾恵介 著
定価:本体1,600円(税別)

地形や道路、建物などの現実を記号化する特有の技法がある。
それを知ることで、地図の声を聴く。
「総描」「転位」とは何か? 
等高線からどのように地形を想像するか?
地形図と海図の「0メートル」の違いとは?
無断転載を防ぐトラップ「幽霊道路」とは?
近現代日本の地図を中心に、読み方から楽しみ方まで紹介。

595 「社会(コンヴィヴィアリテ)」のない国、日本

ドレフュス事件・大逆事件と荷風の悲嘆

菊谷和宏 著
定価:本体1,650円(税別)

国家による冤罪事件として知られる
フランスのドレフュス事件と日本の大逆事件。
スパイの嫌疑を受けたドレフュスは最終的に無罪になったが、
日本では幸徳秋水ら一二名が処刑された。 両国の違いは、どこにあるのか?
答えは、日本には「国家」はあるが「社会」はないことにある。
今日も何ら変わっていないこの事実に抗い、
「共に生きること(コンヴィヴィアリテ)」を実現するには?
日本の未来に向けられた希望の書!

596 女たちの平安宮廷

『栄花物語』によむ権力と性

木村朗子 著
定価:本体1,750円(税別)

かつて閨房から権力が生まれる時代があった。
摂関政治とは「娘の懐妊」にすべてが賭けられたシステムである。
女であること、生むこと、母となること……。
その連なりに走る亀裂が男たちの世界をつくり、
やがて掘り崩すことを、『栄花物語』の作者は見逃さない。
「男もすなる歴史を女もしてみむ」ともいうべき語りの冒険を読み解く。

593 マーケット・デザイン

オークションとマッチングの経済学

川越敏司 著
定価:本体1,650円(税別)

マーケット・デザインとは、
より良い制度・ルールの設計・改革を行う
経済学の最先端分野である。
結婚、就職、学校選択、臓器移植……。
この世界には市場メカニズムが利用できない問題が数多くある。
基礎となる市場理論やゲーム理論などを解説したうえで、
グーグルなどもその研究と実践に取り組むマーケット・デザインの
最新成果をその課題とともに具体的に紹介する。

594 ある豪農一家の近代

幕末・明治・大正を生きた杉田家

家近良樹 著
定価:本体1,700円(税別)

越前一の豪農として知られた杉田家の父・仙十郎、息子・定一とその妻・鈴。
幕末期、仁政イデオロギーのもと大庄屋として地域を指導していた仙十郎。
彼はなぜ「万機公論」「四民平等」の新政府に期待し、そして失望したのか。
自由民権運動に身を投じ、第一回衆議院選挙で
国会議員となった定一を支えた杉田家の困窮。
英学の修得に情熱を燃やし、新島襄・八重夫婦との
交流を深めた鈴が体現する新しい女性像。
従来の教科書的理解では、決してわからない日本の
近代化の多面的な実相を描き出す。

*訂正のお知らせ
本書203頁13行目において、「坪田仁兵衛」のルビが誤って「じんべえ」となっておりますが、正しくは「にへい」です。訂正いたしますとともに、坪田家の皆様はじめ、関係者の方々にご迷惑をおかけしてしまいましたことを深くお詫び申しあげます。

591 民俗学・台湾・国際連盟

柳田國男と新渡戸稲造

佐谷眞木人 著
定価:本体1,550円(税別)

農政学を修めた二人の男。
新渡戸が植民地台湾で培った「治者」の視線に若き柳田は触発され、
新たな「郷土」をめぐる学が胚胎する。
だが、国際連盟(ルビ:ジュネーブ)での「西洋」体験が、不幸にも二人のあいだを遠ざけ、
ことばの壁に苦しむ柳田のまなざしは「常民」へと反転する……。
近代にたいする切実な応答としての、日本民俗学誕生の過程を追う。

592 知の教科書 スピノザ

チャールズ・ジャレット 著
石垣憲一 訳
定価:本体1,750円(税別)

一七世紀オランダが生んだ大哲学者スピノザ。
刊行当時は禁書処分にされるほど危険視されたその著作は、
ヘーゲルやニーチェによって人類の偉大な財産とみなされ、
二〇世紀にはドゥルーズやネグリに再発見された。
本書は、スピノザの生涯と思想形成をたどったあと、
難解をもって知られる主要著作を概観し、
主著『エチカ』の全容を明快に解説する。
本格的スピノザ入門の決定版!

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