講談社BOOK倶楽部

591 民俗学・台湾・国際連盟

柳田國男と新渡戸稲造

佐谷眞木人 著
定価:本体1,550円(税別)

農政学を修めた二人の男。
新渡戸が植民地台湾で培った「治者」の視線に若き柳田は触発され、
新たな「郷土」をめぐる学が胚胎する。
だが、国際連盟(ルビ:ジュネーブ)での「西洋」体験が、不幸にも二人のあいだを遠ざけ、
ことばの壁に苦しむ柳田のまなざしは「常民」へと反転する……。
近代にたいする切実な応答としての、日本民俗学誕生の過程を追う。

592 知の教科書 スピノザ

チャールズ・ジャレット 著
石垣憲一 訳
定価:本体1,750円(税別)

一七世紀オランダが生んだ大哲学者スピノザ。
刊行当時は禁書処分にされるほど危険視されたその著作は、
ヘーゲルやニーチェによって人類の偉大な財産とみなされ、
二〇世紀にはドゥルーズやネグリに再発見された。
本書は、スピノザの生涯と思想形成をたどったあと、
難解をもって知られる主要著作を概観し、
主著『エチカ』の全容を明快に解説する。
本格的スピノザ入門の決定版!

593 マーケット・デザイン

オークションとマッチングの経済学

川越敏司 著
定価:本体1,650円(税別)

マーケット・デザインとは、
より良い制度・ルールの設計・改革を行う
経済学の最先端分野である。
結婚、就職、学校選択、臓器移植……。
この世界には市場メカニズムが利用できない問題が数多くある。
基礎となる市場理論やゲーム理論などを解説したうえで、
グーグルなどもその研究と実践に取り組むマーケット・デザインの
最新成果をその課題とともに具体的に紹介する。

594 ある豪農一家の近代

幕末・明治・大正を生きた杉田家

家近良樹 著
定価:本体1,700円(税別)

越前一の豪農として知られた杉田家の父・仙十郎、息子・定一とその妻・鈴。
幕末期、仁政イデオロギーのもと大庄屋として地域を指導していた仙十郎。
彼はなぜ「万機公論」「四民平等」の新政府に期待し、そして失望したのか。
自由民権運動に身を投じ、第一回衆議院選挙で
国会議員となった定一を支えた杉田家の困窮。
英学の修得に情熱を燃やし、新島襄・八重夫婦との
交流を深めた鈴が体現する新しい女性像。
従来の教科書的理解では、決してわからない日本の
近代化の多面的な実相を描き出す。

*訂正のお知らせ
本書203頁13行目において、「坪田仁兵衛」のルビが誤って「じんべえ」となっておりますが、正しくは「にへい」です。訂正いたしますとともに、坪田家の皆様はじめ、関係者の方々にご迷惑をおかけしてしまいましたことを深くお詫び申しあげます。

595 「社会(コンヴィヴィアリテ)」のない国、日本

ドレフュス事件・大逆事件と荷風の悲嘆

菊谷和宏 著
定価:本体1,650円(税別)

国家による冤罪事件として知られる
フランスのドレフュス事件と日本の大逆事件。
スパイの嫌疑を受けたドレフュスは最終的に無罪になったが、
日本では幸徳秋水ら一二名が処刑された。 両国の違いは、どこにあるのか?
答えは、日本には「国家」はあるが「社会」はないことにある。
今日も何ら変わっていないこの事実に抗い、
「共に生きること(コンヴィヴィアリテ)」を実現するには?
日本の未来に向けられた希望の書!

596 女たちの平安宮廷

『栄花物語』によむ権力と性

木村朗子 著
定価:本体1,750円(税別)

かつて閨房から権力が生まれる時代があった。
摂関政治とは「娘の懐妊」にすべてが賭けられたシステムである。
女であること、生むこと、母となること……。
その連なりに走る亀裂が男たちの世界をつくり、
やがて掘り崩すことを、『栄花物語』の作者は見逃さない。
「男もすなる歴史を女もしてみむ」ともいうべき語りの冒険を読み解く。

597 権力の空間/空間の権力

個人と国家の〈あいだ〉を設計せよ

山本理顕 著
定価:本体1,700円(税別)

古代ギリシアの「ノー・マンズ・ランド」とは何か?
ハンナ・アレントが重視したこの領域は、
現代の都市から完全に失われた。
世界的建築家がアレントの主著を読み解きながら、
私たちが暮らす住居と都市が抱える問題を浮かび上がらせ、
未来を生き抜くための都市の姿を展望する。
幸せに生きるためには、「権力の空間」に抗い、
私たち自身の「空間の権力」を意志しなければならない。

598 地図入門

 

今尾恵介 著
定価:本体1,600円(税別)

地形や道路、建物などの現実を記号化する特有の技法がある。
それを知ることで、地図の声を聴く。
「総描」「転位」とは何か? 
等高線からどのように地形を想像するか?
地形図と海図の「0メートル」の違いとは?
無断転載を防ぐトラップ「幽霊道路」とは?
近現代日本の地図を中心に、読み方から楽しみ方まで紹介。

599 軍人皇帝のローマ

変貌する元老院と帝国の衰亡

井上文則 著
定価:本体1,550円(税別)

共和政期以来、七〇〇年にわたり、ローマ帝国を支えてきた元老院。
しかし、軍事情勢が悪化し、貧富の差が拡大した三世紀以降、
支配権はバルカン半島出身で下層民からのぼりつめた軍人皇帝の手に移る。
アウレリアヌス帝、ディオクレティアヌス帝、コンスタンティヌス帝など、
じつに七七人中二四人が、バルカン半島出身の軍人皇帝である。
ローマ文明を担うエリートの元老院の失墜と武人支配への変化を描き、
ローマ帝国衰亡の世界史的意味をとらえなおす。

600 知の教科書 ライプニッツ

 

フランクリン・パーキンズ 著
梅原宏司・川口典成 訳
定価:本体1,700円(税別)

一七世紀中葉のドイツに生まれたライプニッツは、
哲学、論理学、倫理学のみならず、歴史学、政治学、経済学から
数学をはじめとする自然科学に至るまで、
まさに知の全領域を横断した巨人である。
その思想の全容を理解するのは、きわめて難しい。
本書は、専門的な議論や影響史を割愛し、
大切なことだけを、われわれの経験から実感できるように描く
きわめて稀有な入門書である。
生きるための、生きることを理解するための哲学がここにある!

601 フリーメイスン

もうひとつの近代史

竹下節子 著
定価:本体1,650円(税別)

謎めいた存在ゆえに、陰謀論の格好の対象となるフリーメイスン。
秘密に包まれたイニシエーションの実態とは?
「自由、平等、兄弟愛」など、キリスト教ルーツの価値観を政治から切り離し、
「普遍価値」として復権させることが彼らの使命である。
アメリカ独立戦争、フランス革命から『シャルリー・エブド』事件まで、
フリーメイスンの誕生と変容を辿りながら、
西洋近代をもうひとつの視点からとらえなおす。

602 大江戸商い白書

数量分析が解き明かす商人の真実

山室恭子 著
定価:本体1,600円(税別)

零細店舗あふれる江戸の町。
外食屋七〇〇〇軒。一二六人に一軒の古道具屋。
米屋は一日三〇名程度の来店客──。
十数年しか続かず、血縁原理も働かなかった商家がほとんどだった
花のお江戸の商人たちの選択のドラマとは?
狭くて人口密度が高く、売り手買い手ともに自由な
一大消費都市江戸の商いのありようとは?
四〇〇〇軒の商家を徹底的に数値解析することで、
従来の大商家「越後屋=三井」史観に決別する。

603 終戦後史1945-1955

井上寿一 著
定価:本体1,650円(税別)

敗戦、GHQによる占領、そして独立。
混沌から新秩序へと移行する激動の一〇年。
農民・労働者・女性・子どもの地位向上と、
復員・引揚者への冷淡なまなざしという社会的権力関係の逆転。
戦勝国に対する敗戦国の屈折したナショナリズムと、
大衆にまで浸透するアメリカ型消費文化。
自由経済か統制経済か、保守一党優位体制か
政権交代をともなう二大政党制か──。
いくつもの国家像を模索し、新しいかたちを選び取っていった
転換期日本の歴史空間を再現する。

604 精読 アレント『全体主義の起源』

牧野雅彦 著
定価:本体1,750円(税別)

現実の中で闘う思想家、ハンナ・アレント(一九〇六─七五年)。
その主著は、一九五一年の『全体主義の起源』である。
しかし、全三部から成るこの大著は、
いまだ真に読まれてきたとは言えない。
邦訳書が基づくドイツ語版(一九五五年)のみならず、
英語で書かれた初版テクストまで遡り、
その異同を含めて精緻に読解。
ついにアレントの主著の全貌が現れる!

605 現代日本の四つの危機

哲学からの挑戦

齋藤元紀 著
定価:本体1,800円(税別)

人口減少と高齢化が避けられず、テロと戦争の不安は増大し、
知の中核であるはずの大学では人文学が放逐される……
日本は未来に光が見えない時代を生きている。
尽きせぬ不安の源にまなざしを向ければ、
「知」、「ことば」、「いのち」、「戦争」という〈四つの危機〉がある。
日本を代表する12人の哲学者が
これらの危機の本質を照らし、打開策を探る。
圧倒的支持を得た連続講義、ここに完全再現!

606 ブルデュー 闘う知識人

加藤晴久 著
定価:本体1,750円(税別)

ピレネー山脈に近い小村に生まれ、パリの名門高等中学校
さらに最高学府エコル・ノルマル・スュペリユールに進んだブルデュー。
哲学を修めた後、一兵卒として赴いたアルジェリアでの体験は
社会学専攻へと問題意識の決定的転換をもたらす。
現実に強い関心を持ち、批判的知識人たらんとしたブルデュー。
政治問題にコミットする一方、理論構築にも抜きん出ていたブルデュー。
ハビトゥス、界、文化資本などの概念を創出し、
社会の動力学を極めた社会学者の「生きた知」を解読する。

607 戦国大名論

村井良介 著
定価:本体1,750円(税別)

戦国時代、大名の配下にありながら、
「家中」と「領」をもつ者がいた。
戦国領主と呼ばれる存在である。
大名の生命線は、彼らをいかに統制するかにあった。
暴力の時代にあって、いかに支配を安定させたのか。
暴力と法のせめぎ合いから、新しい権力が誕生した。
群雄割拠の時代を権力論の視点から読み直す。

608 知の教科書 プラトン

ミヒャエル・エルラー 著 三嶋輝夫・田中伸司・高橋雅人・茶谷直人 訳
定価:本体1,850円(税別)

ソクラテスの弟子にしてアリストテレスの師、プラトン。
『ソクラテスの弁明』『国家』『饗宴』『政治家』をはじめとする作品で
提示されたイデア、魂、宇宙と人間といった概念は、
二千年を超えてわれわれの思索の礎でありつづけている。
プラトンの生涯と作品、思想内容、
そして西洋思想史における展開を丁寧に解説する、
最新研究をふまえたプラトン入門の決定版!

609 <お受験>の歴史学

選択される私立小学校 選抜される親と子

小針誠 著
定価:本体1,750円(税別)

子弟を慶應義塾幼稚舎に「脱出」させた福澤諭吉。
「食べることで手一杯」と言いながらも、
成城小学校を選択し、子どもを通学させた平塚らいてう。
現在も〈お受験〉にただならぬ情熱を傾ける親子は多い。
人気校は、入学定員の10倍もの志願者数を集めている。
私立小学校は全小学校の1パーセントに過ぎないが、
伝統と歴史だけでなく、
その魅力的なカリキュラムは公立小学校が手本にしている。
本書では私立小学校の実際に迫り、初等教育の百年を一望する。

610 福沢諭吉の朝鮮

日朝清関係のなかの「脱亜」

月脚達彦 著
定価:本体1,850円(税別)

「転向者」福沢の思想/情念、
「アジア主義」の本質的矛盾、
挫折する「リベラルな帝国主義」……。
『時事新報』での言説と
朝鮮開化派との個人的関係から、
真実の福沢諭吉像と
現代日本の東アジア関係との連続性を提示する。

611 世界史の図式

岩崎育夫 著
定価:本体1,650円(税別)

世界史を動かしてきたのは、どの国、どの地域なのだろうか。
「七つの地域世界」と、「優位勢力」の移り変わりを軸に、
大きな「図式」を描いて流れをつかむ「世界史再入門」。
七~一六世紀、ユーラシア各地にランド・パワーを拡大した中東勢力。
一六世紀以降のヨーロッパによるシー・パワーの展開。
そして、エア・パワーを手に現代の世界に覇を唱える北アメリカ。
「支配する側」と「される側」の違いとは何か。
地理的関係や自然環境も視野に入れ、今後の展望まで語る。

612 帝国議会

〈戦前民主主義〉の五七年

村瀬信一 著
定価:本体1,750円(税別)

明治憲法下の制限選挙による不完全な民主主義、
昭和期には軍部の暴走を止められなかった無力な議会──。
しかし、帝国議会はまた、新たな政治を創ろうと
理想を抱いた人々の、営々たる努力の成果でもあった。
代議士の苦しい生活と、本会議重視の「読会制」。
尾崎行雄、原敬、斎藤隆夫、永井柳太郎らの弁論術。
繰り返される放言・失言、そして乱闘……。
日本人の「原体験としての議会政治」を見つめなおす。

613 ロシアあるいは対立の亡霊

「第二世界」のポストモダン

乗松亨平 著
定価:本体1,700円(税別)

1968と1991。
「権力/民衆」「資本主義/社会主義」という、
二大対立の終焉を告げる年である。
二〇世紀末、歴史の表舞台から姿を消したロシアは、
二一世紀、奇妙な存在感とともに浮上する。
ロシア現代思想に表出した、
いくつもの「対立の亡霊」をめぐる想像力を追跡し、
ロシアのポストモダンと西側のポストモダンの相違を大胆に読み解く。

614 国際紛争を読み解く五つの視座

現代世界の「戦争の構造」

篠田英朗 著
定価:本体1,850円(税別)

複数の人間集団が「相容れない目的」をもつとき、紛争が生まれる。
イデオロギー、地理的条件、経済的利害、信仰……。
お互いの拠って立つ基盤と価値観の矛盾を推し量らなければ、
その果てには流血と悲惨あるのみである。
もはや主権国家だけがアクターではない国際社会の
冷厳な現実を見据える、醒めた分析力をやしなうための一冊。

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