講談社BOOK倶楽部

566 日本の戦争と宗教 1899-1945

小川原正道 著
定価:本体1,700円(税別)

「悪魔を懲らしめねばをかぬ」
「これは日本信仰と西洋思想との戦いである」──。
「殺生」を禁ずるはずの宗教が、戦争、そして戦争協力を
正当化するに至った論理とは。非戦論・抵抗の系譜とともに、
大日本帝国の時代、諸宗教の軍・政府への協力の全貌に迫る。

567 ベルクソン=時間と空間の哲学

中村昇 著
定価:本体1,600円(税別)

視覚だけの世界では、ものはしばしば固定しているようにみえる。
しかし聴覚はどうだろう。「流れ」をかたちづくっていないだろうか。
ベルクソンは、この「流れ」に、すなわち変化や運動に、
ものごとの本質をみようとした。
それは、時間であり、持続であり、記憶の連鎖でもある。
そして、そこには空間がひそんでいる──。
いまふたたび脚光をあびるベルクソンの哲学を鮮やかに読み解く快著!

568 クラシック魔の遊戯あるいは標題音楽の現象学

許光俊 著
定価:本体1,750円(税別)

突如として楽曲の本質が生起する
圧倒的な体験とは?
あとう限りの指揮者・演奏家たちの録音を
聴き尽くし、作品の理念に触れる──
徹底した印象批評こそが鑑賞者を恍惚と神秘的瞬間に誘う。
クラシック・ファン必読の新しいクリティカル・エッセー。

569 古代日本外交史

廣瀬憲雄 著
定価:本体1,650円(税別)

南に農耕王朝、北に遊牧王朝という大帝国があり、
その周辺に複数の小帝国が存在していた国際環境において、
日本が採用した外交政策とは?
「倭の五王」期の朝鮮半島問題、
「日出ヅル処ノ天子」時代の隋の絶域外交、
乙巳の変の背景にある国際緊張など、
外交文書、外交儀礼を丹念に読み解き、
四世紀から一三世紀にいたる東部ユーラシアと
古代日本の実像に迫る。

570 ティムール帝国

川口琢司 著
定価:本体1,750円(税別)

「チンギス・ハンは破壊し、ティムールは建設した」──。
一四世紀から一五世紀にかけて、 中央ユーラシアの広大な領域を統合した
大帝国がティムール帝国である。
現世の楽園とも言える庭園(バーグ)を数多く建設し、
青に彩られた帝都サマルカンドとその周辺に高度な文化を花開かせた。
インド・ムガル帝国にもつながるこの帝国はいかにして繁栄したのか。
マムルーク朝やオスマン帝国など西アジアの敵対勢力をも打ち破った
創始者ティムールとその後継者たちの知られざる実像に迫る。

571 魔女狩り 西欧の三つの近代化

黒川正剛 著
定価:本体1,700円(税別)

十五世紀前半~十八世紀後半、四万人が魔女として殺された。
中世ではなく、近代黎明期に魔女狩りが大流行したのはなぜか?
「魔女狩りとは何か」という問いは、
「ヨーロッパ近代とは何か」という問いでもある。
「視覚の特権化」「科学的自然観」「他者・周縁者の排除」。
歴史学、文化論、哲学、宗教学を横断して、
魔女狩りの意味論を徹底的に探究する。

572 人格系と発達系 〈対話〉の深層心理学

老松克博 著
定価:本体1,650円(税別)

なぜ私は彼を憎むのか? 
なぜ彼は私を憎むのか?
人と人との対立を激化させてきた二つの性格傾向、
〈人格系〉と〈発達系〉。
われわれの不信を解きほぐす手がかりとして
心理療法でもある〈想像〉の作業を提示し、
和解に至る普遍的なプロセスを描き出す。
太古からヒトの心を捕らえつづけた根源的対立から
脱却するための深層心理学的実践の書。

573 見えない世界の物語 超越性とファンタジー

大澤千恵子 著
定価:本体1,650円(税別)

児童文学の一分野であったファンタジーが、大人をも魅了している。
「ハリー・ポッター」シリーズ、『指輪物語』『となりのトトロ』……。
宗教的な神話や伝説、昔話などが、近代以降どのように物語として
再生したのか。『アラビアン・ナイト』から、ペロー、グリム兄弟、
アンデルセンを経て現代の「ナルニア」シリーズに至るまでを分析し、
ファンタジーに潜む宗教的なものの源泉をさぐる。

574 潜伏キリシタン 江戸時代の禁教政策と民衆

大橋幸泰 著
定価:本体1,650円(税別)

江戸幕府によって厳しく弾圧されたキリシタンたちは、
その強靭な信仰心だけで、幕末まで潜伏し得たのだろうか?
「異宗」「異法」と位置づけられながらも
勤勉な百姓として生きた潜伏キリシタンとは対照的に、
邪教として処罰された「切支丹」とは何か?
島原天草一揆の凄絶な記憶、「浦上崩れ」や
京坂「切支丹」一件などを通して変化する
幕府のキリシタン禁制と、民衆信仰の実態を検証。
時代と宗教の関わりに新たな視野を拓く意欲作。

575 神から可能世界へ 分析哲学入門・上級編

八木沢敬 著
定価:本体1,750円(税別)

「神」に関する議論はさまざまあるが、
そのなかでも特にエレガントで西洋哲学史上影響が大きく、
かつ現代の分析哲学にもその影響力がまざまざと感じられるのが、
聖アンセルムスの「存在論的論証」だ。
神の存在を証明するこの議論を分析することが、
どのように現代哲学とつながるのか。
好評シリーズの掉尾を飾る上級編!

576 教会領長崎 イエズス会と日本

安野眞幸 著
定価:本体1,550円(税別)

天正八年(一五八〇)、大村氏より長崎を寄進されたイエズス会。
彼らは寺社勢力のように、都市・流通機構を支配し、
南蛮貿易から巨富を得た。
〈約束の地〉長崎を安定化させるために、
武装化・軍事化路線を進んだ彼らが取った戦略とは?
一五八七年の豊臣秀吉の「バテレン追放令」まで、
日本史上大きな画期をなす〈教会領〉の時代を捉え直す。

577 記号創発ロボティクス 知能のメカニズム入門

谷口忠大 著
定価:本体1,600円(税別)

人間は成長する過程で
言語コミュニケーション能力、運動能力を獲得していく。
同様のプロセスをロボットに行わせることが現実化している。
コンピュータ、視覚・聴覚・触覚センサとモータを持った
ロボットは人間に接近していく。
人工知能・ロボット研究者の仕事は、「知能を創ること」でもある。
記号創発ロボティクスは、工学と哲学を架橋する。

578 源実朝 「東国の王権」を夢見た将軍

坂井孝一 著
定価:本体1,750円(税別)

建保七年(一二一九)一月二十七日、鎌倉鶴岡八幡宮社頭。
大雪のなか右大臣実朝は甥・公暁の凶刃に斃れる。
以来八百年、その人物像は誤解されつづけてきた。
「文弱の貴公子」「憂愁と孤独の人」「北条氏の傀儡」……。
しかし、歴史学の眼で和歌に向きあうとき、別の声が聞こえてくる。
政治状況の精緻な分析と、歌句への犀利な読みこみが、
青年将軍の真の姿と夢を明らかにする!

579 感情の政治学

吉田徹 著
定価:本体1,750円(税別)

個人が政治の情報を集め、投票先を主体的に、
合理的に選択すれば、政治は良くなる──。
そのような政治観は幻想に過ぎない。
自分の思う通りにならない他者の存在と、
人間の非合理性に注目し、政治を組み立て直す。
理性を重視する従来のパラダイムでは
こぼれ落ちてしまう現実の政治を
気鋭の政治学者が描き出す一冊。

580 満蒙 日露中の「最前線」

麻田雅文 著
定価:本体1,850円(税別)

二〇世紀前半、日本、ロシア、中国の
それぞれの「辺境」地域は、なぜ「生命線」となったのか。
義和団戦争から満鉄解体まで、満蒙でくりかえされる
軍事衝突には、「鉄道」をめぐる利権が絡んでいた。
ロシアが「北満洲」に設立した中東鉄道とライバル会社満鉄との権益競争、
ロシア革命後の「革命派」と「反革命派」の内戦、
張作霖など軍閥とスターリンの対決……。
鉄道をめぐるドラマを辿り、新しい国際政治史を描く。

581 冷えと肩こり 身体感覚の考古学

白杉悦雄 著
定価:本体1,550円(税別)

われわれにとってありふれた症状である「冷え」「肩こり」は、
日本人固有のもので、外国語に翻訳できない。
また「うつ病」はもっぱら「西洋的」な病として語られ、
「非西洋」の国では歴史的に稀であった──。
日本人にとって身体的な苦痛はどこからくるのか?
冷え性は近代になって、いかに病として発見されたのか?
時代と文化で異なる身体感覚の謎に迫る。

582 本居宣長「古事記伝」を読む4

神野志隆光 著
定価:本体1,800円(税別)

本居宣長の大著『古事記伝』──。
名のみ知られて、ほぼ読み通されることのないこの歴史的名著を、
全四十四巻すべて詳細に読み、
丁寧に解説する画期的シリーズ、ついに完結!
第Ⅳ巻は、三十二之巻・応神天皇から四十四之巻・推古天皇まで。
巻末に、「直毘霊」について、を附す。
「聖帝」仁徳天皇が寵愛する八田若郎女、
軽太子と軽大郎女の恋など、歌物語を中心に、
宣長は『古事記』をどう読み解いたか──。

583 緑の党 運動・思想・政党の歴史

小野 一 著
定価:本体1,700円(税別)

一九六〇年代末~七〇年代初頭、
先進諸国で高揚した「新しい社会運動」。
そこから出発した緑の党は、
役割を変化させながら現在に至っている。
ドイツをはじめとした諸外国のケースを検討しながら、
運動・思想・体制(政権党)の三つの側面を分析する。
私たちはどのような社会を望むのか。
緑の党はその選択肢になりうるのか。
いま改めて考え直す。

584 知の教科書 カバラー

ピンカス・ギラー 著
中村圭志(訳)
定価:本体1,750円(税別)

「セフィーロートの樹」『ゾーハル』「器の破裂」……。
ユダヤ教神秘主義=カバラーとは、なにか?
霊魂、死後の生、天と黄泉、世界創造、終末を扱うカバラーは、
戒律重視、現世志向のユダヤ教の陰画である。
カバラーの思想と歴史を概説し、
ゲルショム・ショーレム『ユダヤ神秘主義』を再読する。
謎に満ちたカバラーをわかりやすく解説する待望の入門書。

585 パンの世界 基本から最前線まで

志賀勝栄 著
定価:本体1,650円(税別)

小麦粉、酵母、水、塩と火のハーモニーがパンである。
焼きたてパンを楽しむ文化はいつ生まれたか。
大きく焼くパンと小さく焼くパン、それぞれのメリットとは──。
パンの起源、日本での受容史を辿り、
パン作りの精妙なプロセスを紹介。
自ら実践する多加水、低温・長時間発酵のメソッドを
惜しげもなく開示。まったく新しい本格的入門書。

586 〈階級〉の日本近代史

政治的平等と社会的不平等

坂野潤治 著
定価:本体1,500円(税別)

武士の革命としての明治維新。
農村地主の運動としての自由民権運動。
男子普通選挙制を生んだ大正の都市中間層……。
しかし、社会的格差の是正は、自由主義体制下ではなく、
日中戦争後の総力戦体制下で進んだというジレンマをどうとらえればよいのか。
「階級」という観点から、明治維新から日中戦争勃発前夜までの
七〇年の歴史を、日本近代史の碩学が描き出す。

587 海洋帝国興隆史

ヨーロッパ・海・近代世界システム

玉木俊明 著
定価:本体1,650円(税別)

近代黎明期、困難な海上ルートを通じて、
世界へと乗り出したヨーロッパ諸国が築いた海洋帝国。
ポルトガル海洋帝国が形成した異文化間交易のネットワーク。
商業資本主義の時代、海運国家として繁栄を謳歌したオランダ。
イギリスの電信網が生んだ世界の一体化──。
ウォーラーステインの「近代世界システム」を海と商人の視点から捉え直し、
ヨーロッパによる世界支配の本質に迫る。
まったく新しい海事史(Maritime History)入門。

588 平泉

北方王国の夢

斉藤利男 著
定価:本体1,950円(税別)

奥州藤原氏の政庁平泉館跡で発見された儀式・宴会用の大量のかわらけ。
金、馬、鷲羽の交易で得られた巨富。紛争の調停者として所領支配を保障し、
平和の実現をもって家臣団を統合する独自の安全保障体制──。
中国大陸までつながる交易網を築き、一宮二十二社制や真言密教など
中央の神仏体系を拒否した奥州藤原氏は、列島に第三の勢力として君臨した。
北緯三十九度以北に華開いた、ヤマトともアズマとも異なる
もうひとつの世界を明らかにし、歴史のなかの「東北」を問い直す。

589 原敬(上)

外交と政治の理想

伊藤之雄 著
定価:本体2,300円(税別)

朝敵・南部藩に生まれながら、「公利」と「外交」を重視し、
ポスト元勲世代をリードした「平民宰相」原敬伝の決定版。
上京して中江兆民に「フランス学」を学び、
新聞記者から外交官に転じて天津やパリで活躍した原は、
陸奥宗光の腹心となり政界へ進む。
大阪毎日新聞社長として経営手腕を揮った後、
立憲政友会創立に参加し、首相・伊藤博文のもとで初入閣する。

589 原敬(下)

外交と政治の理想

伊藤之雄 著
定価:本体2,300円(税別)

日露戦争後、西園寺公望内閣の内務大臣となった原は、
山県有朋、桂太郎、大隈重信らとの対決を経て、
ついに首相として初の政党内閣を成立させる。
しかし、第一次世界大戦後の世界を見通し、新たな日本への
道筋をつけつつあったさなか、東京駅で凶刃に斃れた──。
理想を求めて格闘し、政治を知り尽くしたその生涯を描き、
暗殺によって失われたその後の歴史の可能性を考察する。

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