講談社BOOK倶楽部

489 中国「反日」の源流

岡本隆司 著
定価 本体1,600円(税別)

たんに「愛国」ということなら、日本人の多くも異存はない。
日本にもナショナリズムはある。いわばおたがいさまのものである。
自尊の意識なのだから、それがある程度の排外をともなうのも、常識の範囲内であろう。
しかし中国の場合、現代日本人がわからないのは、まず日本がその排外の対象となり、
それがいっこうに改まらないことにある。
「愛国」が「反日」とイコールでむすびつき続ける中国人の心情と思考が、不可解かつ不気味なのである。
――本書プロローグより

490 交響曲入門

田村和紀夫 著
定価 本体1,500円(税別)

交響曲には「構造」と「論理」がある。
「交響曲の父」ハイドンからモーツァルト、ベートーヴェンをへてブラームス、
ブルックナー、マーラーへ。
前代の課題を引きつぎつつ交響曲というジャンルに自らの個性を加えてゆく
各作曲家の創意と工夫の跡を丹念にたどりながら名曲の高峰を経巡る、もう一歩深い鑑賞への誘い。

491 三人称の哲学

エスポジト,R. 著/岡田温司 訳・監
佐藤真理恵 長友文史 武田宙也 訳
定価 本体1,700円(税別)

一見したところ正反対のようにみえる政治や思想、
たとえば徹底して人格を破壊してきたナチズムの生政治=死政治と、
逆に人格を金科玉条のように祭り上げる自由主義の人格尊重とが、
実は同じような前提──生きるに値する生、
生の生産的管理など──を共有している点にも、
エスポジトはわたしたちの注意を喚起している。
生物学や人類学、言語学や社会学など、
さまざまな観点から人間を解明しようとしてきた近代の諸科学を
根底で突き動かしてきたもの、
それがこの「ペルソナ」の装置であり、
ナチズムとリベラリズムは、同じ装置によってもたらされた、
たがいの反転像にほかならないのである。──「訳者あとがき」 より

492 名作英文学を読み直す

山本史郎 著
定価 本体1,800円(税別)

『秘密の花園』『赤毛のアン』=少女小説。
『ロビンソン・クルーソー』『ホビット』=冒険小説。
そう思い込んできたみなさん、慣れ親しんできたこうした作品には
技アリ、しかけアリ、意外な意味がたくさん隠されているものです。
「東大生だって、英文学に通暁しているわけじゃない。
恥ずかしながら五十路になってやっと、そんな学生たちの微妙な空気を
読み取っておもしろおかしい講義ができるようになった(はず)」
とのたまう東大教授が、豊穣な英文学の世界にご案内いたします。

493 北条氏と鎌倉幕府

細川重男 著
定価 本体1,500円(税別)

北条氏は、なぜ将軍にならなかったのか。
なぜ鎌倉武士たちはあれほどに抗争を繰り返したのか。
執権政治、得宗専制を成立せしめた論理と政治構造とは──。
承久の乱を制し、執権への権力集中を成し遂げた義時と、
蒙古侵略による危機の中、得宗による独裁体制を築いた時宗。
この二人を軸にして、これまでになく明快に
鎌倉幕府の政治史を見通す画期的論考!

494 アイヌの世界

瀬川拓郎 著
定価 本体1,500円(税別)

アイヌは縄文人の子孫か?
クマ祭りの起源はイノシシ祭りだったのか?
阿倍比羅夫が戦ったのはアイヌか? 
なぜマタギの言葉にアイヌ語があるのか? 
中尊寺金色堂の金箔はアイヌが採った日高産か?───
最新の知見をもとにアイヌをめぐる様々な問いに大胆に答えながら、
伝統を守りつつもダイナミックに変貌し続けた、
これまでになく多彩なアイヌ像を描き出す。

495 旧石器時代人の歴史

竹岡俊樹 著
定価 本体1,500円(税別)

石器しか資料がない中で、いかにして旧石器時代を知ることができるのか。
「捏造」事件の摘発にも深く関わった石器研究の第一人者が、
石器の詳細な分析から、現代人とはまったく異質な旧石器時代人の文化を解明する。

496 アメリカ音楽史

大和田俊之 著
定価 本体1,800円(税別)

ロック、ジャズ、ブルース、ファンク、ヒップホップ……
音楽シーンの中心であり続けたそれらのサウンドは、
十九世紀以来の、他者を擬装するという欲望のもとに奏でられ、語られてきた。
アメリカ近現代における政治・社会・文化のダイナミズムのもと
その〈歴史〉をとらえなおし、
白人/黒人という枠組みをも乗り越えようとする、真摯にして挑戦的な論考。

497 本居宣長『古事記伝』を読む 2

神野志隆光 著
定価 本体1,600円(税別)

誰もがその名を知る本居宣長の大著『古事記伝』。
しかし、全巻読み通した人はほとんどいないといっていい。
本シリーズは、厖大・多岐にわたる宣長の注解を、
全四十四巻、はじめから終わりまですべて読み尽くすという、
画期的な試みである。
第2巻は、十一之巻から二十之巻まで。
八千矛神の歌物語、大国主神の国作り、天孫降臨、
そして神武天皇の巻までをあつかう。

498 瞑想する脳科学

永沢哲 著
定価 本体1,800円(税別)

瞑想は、喜び、共感、直観、慈悲にかかわる脳の神経回路のネットワークを、
かつて想像されたことのないような力強さで、生き 生きと活動させる。
そうした神経活動の変化は、脳の物理的構造の変化としても、あらわれてくる。
人間の心や行動の変容のプロセスが、計測をつうじて、
理解される道筋が開かれたのである。  ──「はじめに」より

499 治癒の現象学

村上靖彦 著
定価 本体1,500円(税別)

人が「回復する」こと、とくに不安や精神の病から回復するとは、
いったいどのような出来事なのか。
「治る」という不可思議な経験の意味と構造を求めて、
フッサール以来の現象学が培ってきた「経験の構造」の探究を、
精神病理学の臨床的知見と交叉させて、
あらたな地平を切り拓く試み!

500 近代日本のナショナリズム

大澤真幸 著
定価 本体1,500円(税別)

戦前期のナショナリズムは、
なぜ、ウルトラナショナリズムに向かったのか。
「靖国問題」とはなにか。
戦後社会とナショナリズムの相関とは……。
「日本」を根本から考えなおすべき今、
ナショナリズム研究に大きな足跡を残してきた社会学者が問う、
日本のナショナリズムの本質!

501 中国が読んだ現代思想

王前 著
定価 本体1,600円(税別)

文化大革命の暗黒が晴れたそのときから、
中国の猛烈な現代思想受容がはじまった!
日本のたどった道とよく似ているけれど、
より切実で熱い思考にあふれたその現場と可能性を、
自らも体感してきた中国人研究者が克明に描き出す。
知られざる、そして知っておきたい中国がここにある。

502 株とは何か

山本昌弘 著
定価 本体1,600円(税別)

高度発達したファイナンス技術は、
活発な企業活動を促すとともに、
リーマン・ショックのような資本市場の暴走にも帰着する。
また、破綻した企業の再生やベンチャー育成、
社会にとってよりよい企業を育てるSRI(社会的責任投資)を
実現させられるのも株の力によるものである。
ファイナンス[企業の資金調達や投資]と
ガバナンス[企業をいかに統治するか]──
株式の持つ相克する本質を掴み、
市場社会の諸問題を基底から思考する!

503 アッティラ大王とフン族

エッシェー,K. レベディンスキー,I. 著
新保良明 訳
定価 本体1,800円(税別)

ゲルマン民族を粉砕し、ゲルマン民族大移動を惹起して
ローマ帝国滅亡の引き金を引いたフン族。
その最大の王アッティラとは何者か? 
一五〇〇年以上にわたって積み重ねられた伝説のヴェイルを剥ぎ、
歴史・考古資料のみにより、
謎多き大遊牧帝国最強の王の実像を解明する。

504 意識は実在しない

河野哲也 著
定価 本体1,500円(税別)

心は身体の中に閉じ込められてはいない。
知覚は脳に投影されるものではない。
そして、自由とは知覚する世界を探索することである──。
心の哲学やアフォーダンス理論、認知科学、
脳性まひと自閉症の当事者研究などの最新の知見が、
私たちの世界の見方を根本的に刷新する!

505 仏法僧とは何か

藤村安芸子 著
定価 本体1,500円(税別)

源為憲が永観二年(九八四)、尊子内親王に献上した『三宝絵』。
三巻に分かれ、仏教説話によって構成されている。
釈迦は衆生を救うべく身を捨てて仏と成った。
上巻では、菩薩とよばれた前世での釈迦の実在する世界が、
中巻では菩薩から僧に法が伝えられる様が、
そして下巻では僧が行う仏教儀礼が語られる。
現代社会にも深く浸透している日本仏教とは何なのか。
ここから、その本質が見えてくる!

506 「社会」の誕生

菊谷和宏 著
定価 本体1,500円(税別)

神という超越性に包摂された世界から、
社会という観念が切り離されたとき、
「社会科学」が生まれた。
19世紀フランスに生まれたトクヴィル、デュルケーム、ベルクソン
という三者を、ひとつの流れとして読み解く、
これまでにない「ユニーク」な思想史!

507 どのような教育がよい教育か

苫野一徳 著
定価 本体1,600円(税別)

「ゆとり」か「つめこみ」か
「叱る」のか「ほめる」のか──
教育の様々な理念の対立はなぜ起きるのか。
教育問題を哲学問題として捉えなおし
現代教育の行き詰まりを根本から解消する画期的著作!

508 中東戦記

G.ケペル 著
池内恵 訳・解説
定価 本体1,600円(税別)

ケペルが鋭敏に観察して書き留めた、
激変の途不にある中東の社会と思想の諸断面は、
その後の中東をめぐる国際政治の展開を、実に的確に指し示していた。
中東発の事象が国際社会を揺るがすたびに、
本書は読み返す価値がある。
……観光ガイドブックでは満たされない読者のための、
当代一流の中東政治学者が案内する国際社会を歩くための
「政治的ガイドブック」として読んでいただけるとうれしい。
──「訳者まえがき」より

509 日米同盟はいかに作られたか

吉次公介 著
定価 本体1,500円(税別)

安保闘争の余韻が残る中、
「大国日本」を志向する池田勇人政権は、
日米安保体制の大きな岐路に立っていた。
アメリカが「負担」の分担を求め、日本がそれを受け容れるという、
今日に至る構図を決定づけた外交プロセスとはいかなるものか。
歴代首相と、外相・外務省の意図と動向、そして「天皇外交」の実相――。
外交文書を緻密に読み込み描き出す!

510 中華人民共和国誕生の社会史

笹川裕史 著
定価 本体1,500円(税別)

国共内戦下の四川省、そこで何が起こり、生まれたか。
人と食糧の苛烈な徴発、富裕者への敵対的世論、行政の空洞化、
そして、その危機を生き抜こうとする人々の営み。
「革命」を育んだ土壌としての地域社会を描く。

511 西洋哲学史 1

神崎繁/熊野純彦/鈴木泉 責任編集
定価 本体1,900円(税別)

待望の「哲学史」、全4巻、ここにはじまる!
「ポスト・モダン」という呼称さえも色あせてきた二一世紀にあって、あえて、「哲学史」の下限をパースやベルクソンあたりにまで押し上げる。
ニーチェやハイデガーは第 巻で論じる。
パルメニデスの「存在」をめぐる思考に西洋哲学の起点があることを再確認し、中世を暗黒の時代ではなく、絶えず再生を繰り返した時代として、とらえ直す ──。
従来の固定的な哲学史叙述を排し、「現代哲学への通路」としての魅力ある哲学史を 提唱する、渾身の画期的シリーズ、ついに刊行開始!

512 西洋哲学史2

神崎繁/熊野純彦/鈴木泉 責任編集
定価 本体1,900円(税別)

中世哲学とは、複数のルネサンスのくり返しであった──。
三位一体論とはなにか。一なる神の本質と三つの位格とは。
イスラーム哲学とキリスト教世界の交錯とは。
アウグスティヌスとトマス・アクィナスを大きな峰としながら、
複数性、脱中心性、多文化性を特色とするその多様な思考の世界を、
「再開の哲学」として再構成する、意欲的な試みの第Ⅱ巻!

515 ひとは生命をどのように理解してきたか

山口裕之 著
定価 本体1,700円(税別)

科学は、何を生命として捉え、分析してきたか?
現代生物学が拠って立つ論理と成立構造とは?
「遺伝子」概念が孕む揺らぎとは?
ダーウィン以前から、分子生物学や遺伝科学が急速発展するポスト・ゲノムの現代まで「生物学」の成立過程を辿り、「科学の見方」を哲学の視点から問い直す、 生命のエピステモロジー。

516 鎌倉仏教への道

菊地大樹 著
定価 本体1,600円(税別)

鎌倉新仏教はゼロから生まれたのではなかった。
偉大な祖師たちの思想が生まれる背景には、
先行する有名無名の宗教者たちによる、さまざまな試みがあった。
山林修行、戒律の問題、経典への信仰など「実践」をキーワードに、
これまで見過ごされてきた、新仏教を準備した
さまざまな運動に光を当てる。

517 分析哲学入門

八木沢敬 著
定価 本体1,700円(税別)

英語圏の国々では現代哲学の主流であり続ける分析哲学。
しかし、日本ではその存在感は薄い。
その現状が「限りなく号泣状態に近いくらい悲しい」と嘆く著者による、
渾身の入門書。「ある」とはどういうこと?
「知っている」とは? 「心」とは? 「物」とは?
分析という「理屈」を武器に、そしてユーモアを隠し味に、
哲学的思考へとあなたをいざなう快著!

518 魂と体、脳

西川アサキ 著
定価 本体1,800円(税別)

本当に存在するものは何だろうか?
私の「今・ここでの体験」だろうか?
それとも、他人からみた「物質としての脳」だろうか?
もちろん、両方だろう。ところが、そう言った瞬間、
「私の」体験と「他人からみた」脳を結ぶメカニズムが知りたくなる──
ライプニッツのモナドロジー、ドゥルーズの思考を、
コンピュータ・シミュレーションで展開。
心身問題への新たなアプローチがはじまる!

519 記憶の歴史学

金子拓 著
定価 本体1,800円(税別)

「歴史」はどのようにして生まれるのか。
本能寺の変、細川ガラシャ自害事件など、
さまざまな文書、日記などに記された人々の記憶が
一つの歴史上の事件として定着してゆくプロセスを探る。

TOPへ戻る▲